⑤現役官僚のTOEFL勉強法〜90点台から100点突破へ〜(ライティング編)

ライティングで25点を獲得できればTOEFL100点達成が現実的なものとなってくる。そのためには、基本的に、①integrated taskと②independent taskの双方でGoodの評価が必要となる。25点までなら比較的達成しやすいので、下で説明する対策法や留意事項をしっかりと頭に叩き込んで、実践していただきたい。
(注意①)GoodにはGood(4.0)とGood(5.0)があり、25点を目指す場合は、前者で足りる。
(注意②)新形式ではGood(4.0−5.0)、Fair(2.5-3.5)、Limited(1.0-2.0)という従来の評価基準がスコアレポートに示されなくなっているが、新形式を受けた感じ、評価基準にそれほど変更はないと思われる。したがって、便宜上、ここでも従来の評価基準を用いて説明することにご留意願いたい。

 

① integrated task

ご存知の通り、integrated taskにおける評価はリスニングで述べられた内容を正確に要約できたか否かにかかっている。基本的な作業としては、リーディングにおいて、ある主張に対する3つの理由が示されるので、それら3つの理由に対する教授の反論を聴き取ることになる。反論は主に3つ述べられるが、その3つの反論のどれかについて、さらに詳細にいくつかの反論又は具体例が紹介される(つまり反論は実質4〜5つほど示される。)。これら全てを書くことかできればGood(5.0)を得られる。ただ、25点を獲得するだけであれば、Good(4.0)で足りる。そして、Good(4.0)を取るためには、主たる3つの反論を書くことができれば十分だ。
回答の際には以下のような構成で書くと良い。 

(回答)
The reading passage argues that 主張. On the contrary, the professor denies the argument by providing different points of view. 
Firstly, the reading passage states that 理由①. However, the professor suggests that 反論①.
Secondly, the reading passage makes the point that 理由②. On the other hand, the professor contradicts the idea by saying that 反論②
Finally, the reading passage claims that 理由③. In contrast, the professor points out  that 反論③

ここで注意してほしいのは、リスニングで述べられた3つの主な反論のうち、どれか1つでも落とすとGoodの評価はもらえないということだ。どれだけリーディングの内容を上手く要約しても結果は同じである。したがって、リスニングに全力を注ごう。
ちなみに、慣れるまではメモ取りは必須である。また、Listening Sectionとは違い、このtaskではリスニング内容の殆ど全てが重要なポイントとなっているので、終始集中力全開でリスニングに臨もう。
メモを取る際には、リーディングで示された理由とリスニングで述べられた反論の対比関係を整理できるよう、メモ用紙に罫線を引くなりして工夫しよう。

 

② independent task

Writng Sectionの鬼門と言っても過言ではないのが、このindependent taskである。近年は、以前に比べて、問題の難易度がかなり上昇しているからだ。重箱の隅を突くような問題が増えてきており、さらなる発想力(アイディアをでっち上げる能力?)が求められるようになっている。ただ、文章を書く際の全体的な文章構成は基本的に同じで、

⑴ イントロ
⑵ ボディ
⑶ 結論

の順番を意識しよう。また、殆どボディで勝負が決まるため、イントロと結論はさらっと流して、ボディに多くの時間を割こう。理想としては、与えられた30分の時間のうち25分ほど確保したいところである。
また、ボディで示すべき理由の数に制約はないが、各々100~150字前後3つ示せれば、より説得力のある議論を展開できる上、全体的に見栄えも良くなるためオススメである(現に、私が28点を獲得した時もその構成を用いていた。)。

 

(1)ボディの書き方のコツ

各論編(スピーキング)で説明したのと同様に、論理的に文章を組み立てるよう心がけよう。
ここでも基本は常に、
⑴ 主張
⑵ 理由
⑶ 具体例
⑷ 結論
の4つである。

以下のとおり、例題と解答例を示したので見てもらいたい。 

例題
Some people prefer to get up early in the morning and start the day’s work. Others prefer to get up later in the day and work until late at night. Which do you prefer? Use specific reasons and examples to support your choice.
 
回答例
(イントロ)
Some people might prefer to get up later in the day and work until late at night. On the contrary, I strongly prefer to get up early in the morning and start the day's work for the following reasons. 
(ボディ:理由①)

(主張→)Firstly, I can expose myself to the sunlight in the morning. (理由→)This is beneficial because the sunlight in the morning always makes me feel more energetic and motivated. Since I feel more energy and motivation, I can work hard and productively. (具体例①→)For instance, because of the said reason, I often choose morning shifts rather than night shifts in my job. I go to my office after basking in the sunshine every morning. When I work in the morning, I rarely feel fatigue after work. (具体例②→)Additionally, I do not make any mistakes at all while working because I can concentrate more on my tasks. (結論→)The exposure to the sunlight definitely helps me get more energy and motivation as well as enhance my productivity.

(ボディ:理由②)

(主張+理由→)Secondly, I do not like to start my work later in the day simply because it is unsafe. (具体例①→)For instance, when I have to go to work in the evening, I might be the victim of certain crimes. While walking on the streets in darkness, some dangerous people might attack me to steal my money or other belongings. (具体例②→)Moreover, driving at night is also dangerous because it increases the chance of me being involved in car accidents. For instance, there are some drivers who fall asleep or feel drowsy while driving at night. They every so often cause traffic accidents by crashing to other cars. (結論→)Considering these situations, I feel horrible walking on the street and driving a car at night to get to my workplace.

 (ボディ:理由③)

(主張→)Finally, I am biologically a morning person since birth. (具体例→)For instance, I always tend to feel sleepy in the evening even though I have enough sleep during the day. (結論→)Because of this, starting my work later in the day would disrupt my circadian clock and at worst, cause some health-related problems including insomnia and depression. I would like to avoid such situations in order to live a comfortable and peaceful life.

 (結論)

Overall, beginning my day early in the morning is of great benefit. It helps me become more energetic, motivated, and productive. Therefore, I really prefer to get up early in the morning and start the day's work.

ボディにおける各理由は、主張→理由→具体例→ 結論の順で書いている。この順番を守れば、論理性に加え、文章にリズムが生まれるため読みやすくなる。
また、理由には、positive reasonnegative reasonがあり、前者は自分が支持する主張に対する理由を意味し、後者は自分が反対する主張に対する理由を意味する。
前者のpositive reasonが3つ思い付かない場合は、後者のnegative reasonで補うようにしよう。上の回答例で言うと、理由①がpositive reason、理由②③がnegative reasonとなっている。
 

(2)知っておくべき注意事項

①テンプレートの使用禁止

2年ぶりにTOEFLを受けて驚いたことがある。それは、問題文にテンプレートの使用を禁止する文言が付け加えられていたことだ。全ての問題にそのような文言が付け加えられているのかは定かではないが、私の時はそうであった。おそらく、テンプレートが世の中に出回っておりETSが対処を本格化させたのだろう。したがって、ウェブ上で拾ってきたようなテンプレートを使い回すのはかなり危険なので今すぐやめよう。

ただ、上でも述べたように、近年は重箱の隅を突くような問題が多くなっており、そもそもテンプレートを使用すること自体が難しくなってきている。したがって、日々の練習で発想力を鍛えるしか道はない。毎日、ライティングの練習に取り組もう。そうすれば徐々に発想力が身につくはずだ。


②文字数は300字以上であれば問題ない
巷では、文字数が多ければ多いほどスコアが高くなるという噂が蔓延っているが、最低文字数である300字をとりあえず超えていれば問題ない。現に、私はいつも320〜340字しか書いていない。噂に惑わされて文字数を多くすることに気をとられるあまり、結局何が言いたいのかわからないような回答になってしまうことが一番良くない。したがって、論理的で簡潔かつわかりやすい文章を書くことを心がけよう。
 
③豊富な語彙
 independent taskでは、できるだけ多様な語彙を用いることが高得点への鍵となる。特に、言い換え箇所については同語反復を避けるよう心がけよう。
また、使う場面が定かではないハイレベルな単語や表現を多用すると、採点官も読みづらいと思われるので、基本的には平素な単語や表現の使用に留めた上で、ところどころハイレベルな単語や表現を織り交ぜるようにしよう。そうすることで文章にリズムが生まれ、採点官に好印象を与えることができる。
 
以上がWriting Sectionの対策法及び留意事項である。これらを意識して本番の試験に取り組めば、確実に25点は確保できるので是非実践していただきたい。