④現役官僚のTOEFL勉強法〜90点台から100点突破へ〜(スピーキング編)

おそらく多くの受験者はスピーキングに苦手意識を持っているのではないだろうか。また、巷では「純ジャパは取れても23点が限界」といったような噂も蔓延っているようだ。確かに、我々日本人は「英語を話す」教育を十分に受けていないため、英語を流暢に話せない。私自身、スピーキングでは25〜28点取れているが、英語を流暢に話せない。日常会話で単語が思い浮かばなかったりや文法を間違えたりすることは頻繁にある。しかし、下で説明するように、しっかりと対策を打てば、少なくとも100点突破に必要な23点は容易に達成することが可能である。

 

高得点への4か条

Speaking Sectionで高得点をとるコツは以下の4点である。

① 発音(pronunciation)
② 話し方(enunciation)
③ 文構造(organization)
④ とにかく喋りつけること(keep speaking)

それでは一つずつ見ていこう。

 

① 発音(pronunciation)

スピーキングセクションでは発音の良し悪しがスコアにかなり影響してくる。したがって、一語一句正しい発音ができるように心がけよう。内容ばかりに重きを置いてしまう気持ちも分からなくもないが、まず、自分が英語を正しく発音できているかを確認することが先決である。例えば、

RとLをしっかり区別して発音できているか。

アクセントの位置は正しいか。

といった基本的な発音のルールは確実に守ろう。
特に、スコアが10点台の人はここを重点的に改善しよう。でないと、23点はおろか、20点を突破することすら難しくなる。

 

② 話し方(enunciation)

一語一句正しく発音できるようになったら、次は話し方に注意しよう。話し方の良し悪しもスコアにかなり影響してくるからだ。自分が聞き手の立場に立った時を想像してみてほしい。会話中、何を言っているのか理解できない相手に耳を貸すことは、ストレス以外の何物でもない。採点官もきっと同じである。したがって、相手にわかりやすく話すことを心がけよう。ポイントは以下の3点だ。

 

リエゾン(連音)

話す中で、ところどころリエゾンを用いてみよう。そうすればより自然かつ綺麗な英語に近づける。聞き手に好印象を与えることもできる。ただ、どのような場合にリエゾンを用いるのかについては、とにかく一つ一つそのパターンを覚えるしかない。
例えば、私がよく回答で用いるのは、

・This is what I consider〜:下線部は「ワットアイ」→「ワライ」

・get out of here:下線部は「ゲットアウトオブ」→「ゲラウロブ」

などである。まずは、自分がよく使うフレーズにリエゾンができる部分があるかどうか探してみた上で、もしあればそれらの部分についてリエゾンの練習をするのが良いだろう。

 

⑵イントネーション(抑揚)

ところどころ抑揚をつけて話すことを心がけよう。自分が主張したいポイントは声のトーンを上げて話し、それ以外は平常のトーンで話すといった感じである。例えば、私の場合、

・新たな論点を展開する際→ButやHoweverを文頭に用いて、抑揚をつけて話す。

・結論を述べる際→That's whyやOverallを文頭に用いて、抑揚をつけて話す。

といった具合にイントネーションを用いている。このように表現に調子をつけて話すことで、より効果的に「自分は一体何を言いたいのか」を聞き手の心に響かせることができる。また、聞き手としては、単調に話されるよりもイントネーションをつけて話される方が聴いてて飽きないだろう。

 

⑶大きな声でゆっくり・はっきりと

当たり前のことであるが、聞き手にわかりやすく話すためには、大きな声でゆっくりとはっきり話すことが何よりも重要である。TOEFLのテスト中、たまに周りの受験者のスピーキングに耳を傾けることがあるが、ほとんどの人が早口でボソボソと話していることに驚かされる。「早口でボソボソ」は致命的過ぎるので絶対にやめよう。(これをすると、スコアが上がることはまずありません!)

早口の克服!
早口になるのは、短い解答時間の中であれもこれも話そうと焦ってしまうからである。話すべきポイントを取捨選択した上で、落ち着いて話すよう心がけよう。

ボソボソの克服!
ボソボソになるのは、(自分もそうであったが)周りに自分の下手くそな英語を聞かれることが恥ずかしいと感じてしまっているからである。そんな無用な羞恥心とは今すぐおさらばしよう。下手くそでいいのである。あなたの英語を聴いて、「あいつの英語は下手くそだな。」と罵るような余裕がある受験者はあなたの周りにはいない。テスト中、周りはみんな自分の世界に浸り込んでいるのだから。あなたも自分の世界に浸り込んで、まるで全知全能な超人の如く、自信満々で話そう。

 

③ 文構成(organization)

スピーキングで話す内容は論理的であることが望ましい。これはtask1〜4全てにおいて共通である。

特に、task1の場合、
⑴ 主張
⑵ 理由
⑶ 具体例
⑷ 結論
の4点を意識しよう。
例えば、人は常に携帯電話を持ち歩くべきであるという意見にあなたは賛成か反対か、という問いであれば、

(回答)
I agree with the idea for the following reasons.(主張
Firstly, having a mobile phone with us at all times would help us obtain necessay infomormation conveniently. (理由1
For instance, when we travel, we can rely on map applications such as Google Map to find ways to our destinations.(具体例1
Secondly, it would also be useful for ensuring our safety. (理由2
For example, when we encounter some dangerous situations, we can call the police for help as immediately as possible.(具体例2
For these reasons, I support the presented idea. (結論

このような感じで論理的な文を作るように心がけよう。15秒という短い準備時間でアイディアを論理的に整理することはなかなかハードルが高い作業かもしれないが、練習あるのみである。なお、できるだけ多様な語彙を用いるとスコアアップに繋がりやすいので、同語反復ではなく言い換えをするように心がけよう。

task2〜4でも、基本的には主張・理由・具体例(理由と具体例が一体になっている場合もあり)が示されるため、それらを意識して話すようにしよう。また、これらのtaskでは特に結論を述べる必要はない。
例えば、task2の場合、学校のアナウンスメント(school announcement)やある生徒が書き記したレター(student letter)を読み、他の生徒の意見を聴いた上で、それらを要約することが求められるが、回答の手順は以下の通りである。

・リーディングで示された内容の要約(10〜15秒)
・生徒の主張(賛成 or 反対)(5秒)
・理由①(20秒)  ※あれば具体例も
・理由②(20秒)  ※あれば具体例も

ここで注意してほしいのは、リーディングの要約に時間をかけすぎないことである。あくまでメインは生徒が示す2つの理由の要約である。リーディングの要約については、例えば、学校のアナウンスメントであれば、「どのような計画が実施されようとしているのか」、生徒が書き記したレターであれば、「どのような計画が実施されようとしているのか+それに対してその生徒はどう思っているのか」をさらっと説明すれば足りる。

続いて、task3の場合、科学的な内容が書かれたパッセージを読み、それについて教授の説明を聴いた上で、それらを要約することが求められるが、回答の手順は以下の通りである。

・リーディングで示された内容の要約(10〜15秒)
・具体例①(22~25秒)
・具体例②(22~25秒)

ここでもリーディングの要約に時間をかけすぎないことに注意しよう。リーディングでは、基本的に何らかの科学的現象についての定義が紹介されるので、その定義のみをさらっと要約すれば足りる。

task4については、聴いた内容を聴いた順にそのまま説明すれば良いだけなので、ここでは特に言及しない。

 

④ とにかく喋りつけること(keep speaking)

スピーキングで一番良くないのは途中で黙り込んでしまうことである。これをするとスコアにかなり響く。途中で話すネタが尽きてしまっても、繰り返し同じ内容になっても良いのでとにかく喋り続けよう。実際に私自身、この戦略を採って高得点をマークできている。

 

最後に(超重要!)

つい、つらつらと長く書きすぎてしまったが、最後に、以下の不等式を頭に叩き込んでほしい。

不等式:発音=話し方=文構成=喋り続ける≧内容

話すべき内容をしっかりと話すことはもちろん大事である。ただ、スピーキングセクションは文字通り、あなたのスピーキング能力、つまり話す能力を測るセクションである。したがって、内容よりも自分がいかに話すことがうまいかをアピールしよう。もっと言えば、コミュ力馬鹿になろうということである。内容が不十分でも、コミュ力でカバーできれば23点を飛び越えて28点まで取れる。(私自身、28点を取っているのである程度信憑性はあると思う。)

ここで紹介したポイントを1つ1つしっかりと頭に焼き付けて、23点をもぎ取ろう。ゆくゆくは、その先にある「純ジャパ23点限界説」もぶち破ることができるはずだ。

以上がスピーキングの勉強法である。

それではライティング編に移ろう。

jackfish.hateblo.jp