②現役官僚のTOEFL勉強法〜90点台から100点突破へ〜(リーディング編)

TOEFLで100点を獲得するには、リーディングにおいて、最低でも安定して27点を取れることが必須条件となってくる。正答数で言うと、大体8問ミスまで許される。逆に8問もミスできるので比較的達成しやすい。

ここでは、下記の4つのセクションに分けてリーディング対策を紹介する。しばし長くなるが、是非最後まで読んでいただきたい。

 

1. 日本語読解力・背景知識

それでは、いかに27点を確保するか?まず、実体験から推測するに、26点以下を行き来している人たちの場合、①そもそもの日本語読解力の向上②教養及び知識の習得の2点が非常に重要となってくる。逆にこの2点を徹底すれば点数は一気に伸びてくる。満点を取ることも可能だ。
そのためには日々の英語学習の片手間で良いので時間があるときに、TOEFLリーディングと親和性のあるトピックを扱う本やネット記事を読む習慣を身につけよう。背景知識が身について精神的ハードルが下がるうえ、日本語読解力も格段に上がる。何よりリーディングの問題を解くことが楽しくすら感じる。

 

例えば、以下の書籍がおすすめである。考古学・歴史学・生物学・地質学など幅広くカバーできる。

図解でわかる ホモ・サピエンスの秘密

海と陸をつなぐ進化論 気候変動と微生物がもたらした驚きの共進化 (ブルーバックス)

地学ノススメ 「日本列島のいま」を知るために (ブルーバックス)

産業革命 (世界史リブレット)

図説 世界の歴史〈1〉「歴史の始まり」と古代文明

植民地から建国へ 19世紀初頭まで (岩波新書)

南北戦争の時代 19世紀 (岩波新書)

 

また、ネット記事であれば、ナショナルジオグラフィックが超おすすめでる。宇宙・歴史・民族・芸術・科学・生物などの記事が豊富であり、無料で読むことができる。

 

2. 基礎英語力

日々の英語基礎力を磨くためには自分の英語力と同等あるいはそれより少し上のレベルの英文を読むことを強くすすめる。感覚的には、「8〜9割方スラスラと文章を理解できるが、時折わからない単語や表現の意味を辞書で調べる」感じである。決して、背伸びをして難解な英文を読むことをしてはならない。費用対効果が悪すぎる。簡単な新聞記事や学術記事を交互に織り交ぜながら毎日の通勤時に記事を2つ読む程度で構わない。

私の場合は、New Scientistという科学系雑誌をアプリで購読している。購読料は月800円で、難易度も平易またはちょっと難しい程度な上、興味深い記事が豊富である。また、TOEFLリーディングと同じくらいの分量の記事も多く、1記事あたり15〜20分程度で読めるため、丁度良い脳のエクササイズとして重宝している。

ここで覚えてもらいたいのは、英語の読み方である。むやむやたらに逐語訳するのでなく、①全体的視点②具体的視点の2つを意識して英文を読もう。これは最後に出題される要約問題を意識した取り組みであり、非常に効果的だ。また、英文を読み終わった後に自分なりに独り言でも心の中でも何でも良いので主たる内容を要約してみよう。英文全体をより体系的に理解できるようになり、読解力が向上するはずだ。

 また、余談ではあるが、英単語学習については、わからない単語に出くわすたびにWordやメモ帳などに書き込んで自分用の単語帳を作成しよう。わざわざ高額な料金を払って単語帳を購入する必要はない。自分で能動的に単語帳を作る方が受動的に単語帳を眺めるよりも何倍も効果的だ。

 

3. 試験前対策

上記1・2を日々の鍛錬として継続し、日本語読解力・幅広い背景知識・基礎英語力を高めたら試験の2〜3ヶ月前からTOEFL対策を始めよう。以下の教材が非常に役立つ。 

TOEFL MAP Reading Advanced

TOEFL MAP Reading Advanced

  • 作者:タラグォン
  • 発売日: 2009
  • メディア: ペーパーバック
 
TOEFL MAP ACTUAL TEST Reading Book 1

TOEFL MAP ACTUAL TEST Reading Book 1

 

TOEFL MAP Reading Advancedでは、分野別に大量の問題が収録されており、英文レベルは本試験と同等あるいは少し難しい程度である。ただ、問題のクセがかなり強く、解答も強引なものが多いため、私の場合、本書の正答率は7割程度であった。
しかし、この教材の優れたところは何と言っても質の高い英文を数多く読めることであり、正答率はそれほど気にする必要はない。TOEFLで必要な読解力と読解スピードを養うツールとして活用しよう。また、様々なトピックが豊富に用意されているのでここでも背景知識を養うことが可能である。
なお、本書は新形式に対応していないが、従来通り、60分で3パッセージ(1セット)解こう。それができれば新形式ではむしろ時間が余るほどである(私自身、本試験で10分ほど時間が余った)。
ここで肝心なのは、しっかりと3パッセージ解く(ダミーを想定して4パッセージでも可)」ことである。中途半端に1〜2パッセージしか解かないのはあまり効果的ではない。1セット解く際の頭の使い方を脳に覚え込ませることが重要だからである。

次に、TOEFL MAP ACTUAL TEST Reading Book1(2でも可)に関して言えば、本番同様の形式(旧形式ではあるが)で、英文及び問題のレベルが双方とも本番に近いため最後の総仕上げには欠かせない。本試験で27点以上を狙うならば、当日の会場の雰囲気及び緊張を加味すると、この教材では常に1セット6問以内のミスに抑えたいところである。

注意点としては、これらの教材はいわゆる韓国本であるため解説は日本語で書かれていない。全て英語で書かれている。
ただ、日本でも様々なTOEFL対策教材が出回っているが、これらの教材に敵うものはないと思う。是非使用してみて欲しい。

 

4. 解答のコツ

最後にちょっとした解答のコツを書き記すので参考程度に読んでいただけるとありがたい。

①示されたパッセージ内で解答を探すこと

リーディングは基本的に、”According to paragraph ◯”のような形で問われる。その際、他の段落で書かれている内容が選択肢に含まれていることが多々あるが、そのような選択肢は引っかけなので、たとえ内容が正しくても切り捨てよう。昔は私もよくこの手の選択肢に引っかかることがあったが、意識するようになってからは正確に解答できるようになった。 

②最後の要約問題はできるだけ抽象的な選択肢を選ぶこと

最後の要約問題は確実に2点を死守したいところである。第一に、本文には明らかに述べられていない選択肢は躊躇なく切り捨てよう。第二に、具体的過ぎる内容の選択肢は思い切って切り捨てよう(一応、問自体にminor ideasは不正解と記されている)。例えば、特定の人物や生き物についての経歴や属性等を説明している文がその典型例である。これらを意識すれば確実に2点を死守できる。要約問題を解く際は、処理すべき情報量が多いため頭の中がパニックになることがあるが、一旦立ち止まって冷静にこれら2点を意識しながら解いていけば確実に正解にたどり着ける。なお、慣れてきたら要約問題は1分〜1分半(最大でも2分)を目安に解けるようになろう。

 

以上がリーディングの勉強法である。
それではリスニング編に移ろう。

 

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①現役官僚のTOEFL勉強法〜90点台から100点突破へ〜(総論編)

どういう訳かTOEFL iBT(以下、TOEFLと呼ぶ。)では100点の壁というものが存在し、多くの人たちがその壁にぶち当たって90点台で苦しむことになる。(私自身そうだった。)

本ブログではTOEFLにおいて如何に90点台を脱して100点を獲得するかについて、私自身の経験を踏まえた独自の勉強法を紹介する。故に、本ブログは90点台ホルダーを主な読者対象としている。したがって、TOEFLの概要等といった基本事項は全て省いているのでご承知置き願いたい。90点台からなかなか抜け出せない人は思い切ってこのブログで紹介する勉強法を試してほしい。100点への突破口となるはずだ。

 

ちなみに現在の私のスコアは107点(R:29、L:28、S:25、W:25)であり、各セクションの最高スコアの合計は114点(R:30、L:28、S:28、W:28)である。 以下が大まかなスコア遍歴である。

  • 初受験 81点(大学2年次、2013年)
  • 2回目 93点(〃)
  • 3回目 94点(大学3年次、2014年)
  • 約半年間交換留学
  • 4回目 95点(大学4年次、2015年)
  • 5回目   101点(2017年)
  • 6回目   102点(2017年、4回目の2週間後)
  • 7回目   105点(2019年)
  • 8回目   105点(2019年、6回目の2週間後)
  • 9回目   107点(2020年)←New

※1年ないし2年ごとに受験しているが、100点を突破した回の準備期間は2〜3ヶ月程度。

 

私の場合、スピーキングでスコアを稼ぐ戦略を取っているが、一般的な受験者が100点を目指す場合は、100点(R:27、L25、S23、W25)という得点構成を軸にするのが一番の策のように思われる。

 

そして、それを達成するために必要不可欠なポイントが3つある。

TOEFLで高得点を取るために重要なこと

その1 短期集中型であれ

その2 知識ないし教養の習得に努めよ

その3 日々の英語学習で基礎英語力を鍛えよ

 

その1 短期集中型であれ

TOEFLで最も重要なことは「勢い」である。つまり、短期間の内に集中的にTOEFL対策を行うことで 脳の思考力・瞬発力・爆発力を極限まで高め、最高状態で試験に臨むことが鍵となる。したがって、2〜3ヶ月程度を準備期間としてTOEFLを受けることを強く勧める。
大学受験を経験したことがある人はセンター試験を思い出してほしい。多くの受験生は秋か冬にセンター試験対策に本腰を入れ、そのままの勢いでセンター試験で高得点を稼ぎ出す。TOEFLも同じ理屈だ。短期勝負が鍵なのだ。
逆に、区切りを付けずに長期間ダラダラ勉強すると脳がマンネリ化するため、いつまでたっても90点台のスランプから抜け出せない。「数打ちゃ当たる戦法」で何回も定期的にTOEFLを受け直してもあまり意味がないし、お金の無駄である。

 

その2 知識ないし教養の習得に努めよ

TOEFLでは、生物学・宇宙学・考古学・哲学・芸術学・地質学・歴史学等の幅広い分野からなかなか高度な問題が出題される。故に、教養の一貫として読書等を通じてこれらの分野に日々接することが重要である。加えて、特定のトピック(例えば、歴史学や地質学)に苦手意識あるいはアレルギー反応を起こす人が多数存在すると思われるが、100点突破を目指すためには苦手分野を極力減らし、どの分野が出題されても大丈夫な状態に持っていくことが非常に重要である。
逆に、苦手分野をそのまま放置して英語だけひたすら勉強していても点数を上げることはなかなか難しい。苦手分野が出題された時の精神状態のまま試験を受けても良いパフォーマンスは見込めないからだ。
「あー、あのトピックだな!」、「このトピックは楽しそうだな!」と思えるような心持ちで試験を受けることができれば、リラックスしながら問題を解けるようになるためスコアの向上も見込まれる。

 

その3 日々の英語学習で基礎英語力を鍛えよ

これは言うまでもないことではあるが、日々の英語学習で英語の基礎力を磨くことはTOEFL短期決戦の大前提である。日々磨きあげた基礎英語力を土台とし、試験前の短期間でTOEFL独特の問題形式にその英語力を順応させていくというイメージだ。これはTOEICやIELTSでも同じである。
料理に例えると、一つのパン生地を用いて、好みに応じた様々な形のパンを焼き上げるようなイメージである。
基礎英語力の磨き方は様々あると思うが、各論編で論じることとする。 

 

 以上が総論編である。上記の3ポイントは確実に覚えておいてほしい。

 

それでは各論編へ移ろう。  

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